居合道とはどのような武道ですか?
戦国時代頃の林崎甚助を始祖とし、日本刀を用いて仮想の敵を斬る「形(かた)」を特徴とする武道です。居合道の形は仮想敵による攻撃の兆しをきっかけとして、自己防衛のために止むを得ず刀を抜き、臨機応変に応じるもので、自分から攻撃を仕掛けないのが基本です。居合の流派は江戸時代には数多くの流派に派生しており(総じて「古流」と呼ばれます)、現代まで脈々と極意・技が継承されている流派も存在します。
ちなみに、入門~三段くらいまでは模擬刀を使い、四・五段くらいから真剣を使い始める方が多いです。
制定居合とは何ですか?
正式名称は「全日本剣道連盟居合」です。剣道人が「居合道の基本的なもの」を学べるように、全日本剣道連盟により古流の各流派の基本的な技が統合されて、12本の技が制定されました。
当会は全日本剣道連盟に所属しているため、昇段審査・試合では必ず制定居合の技を演武することになります。居合を始めてから初段に昇段するくらいまでは、稽古の中心はこの制定居合の技となります。初段くらいから、下記の夢想神伝流の稽古を並行して行います。
夢想神伝流とはどんな流派ですか?
大正時代に神道無念流の中山博道(「昭和の剣聖」と称される)が、森本兎久身(とくみ)から無双直伝英信流(長谷川英信流谷村派)を、細川義昌から無双神伝英信流(長谷川英信流下村派)を学び、独自の工夫を加えて伝えた流派であり、古流の一つです。夢想神伝流の居合は「初伝 大森流」「中伝 長谷川英信流」「奥伝」より構成され、全部で約40本の技があります。全国的にも夢想神伝流を稽古できる道場は多く、現代の居合道界において無双直伝英信流と並び最多の門人を擁しています。
スポーツや武道の経験はないですし、非力ですけど、始められますか?
もちろん始められます!当会の会員にはスポーツ・武道歴のない会員もいて、そのような会員も長く続けています。居合に必要な筋力は稽古でつきますし、そもそも腕力に頼る武道ではないので問題ないです。スポーツ経験がない女性も始められますよ。また、取っ組み合いをしない武道なので、打撲・脱臼・骨折といったリスクはほぼないです。
「武道を学びたい」「歴史が好きだ」「刀〇乱舞や鬼〇の刃の影響で日本刀が好きになった」等、人生を豊かにする居合道へのきっかけは様々なので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
ただし、仮想敵を斬る武道である以上、健康体操とは異なり、高齢者であってもメリハリの利いた素早い動きが求められる点はご承知おき下さい(参考までに、当会では30~50代で居合を始めた方が多いです)。
居合を始めたらどんな武道具が必要になりますか?
最低限必要な武道具一式は以下です。
・模擬刀 (4万~7万円) :亜鉛合金製で斬れず安全ですが、見た目・重量は真剣さながら
・下 緒 (1千~2千円) :鞘と袴を結束するのに使う紐で、最初は綿製で良いです
・御刀油 (千円前後) :刀身につける油
・道着・袴 (計1万~1.5万円):テトロン製。上下黒もしくは上下白のいずれかにします
・襦 袢 (3千~5千円) :綿製
・帯 (3千~5千円) :居合道用帯もしくは角帯
・膝サポーター(計4千~5千円) :床の上で頻繁に膝立ちをするので両膝に必要です
・ゼッケン (3千~4千円) :所属+苗字
出費としては、これらに加えて当会の年会費(1万円台~2万円台、年度ごとに決定)が必要になります。
また、級審査を受審する頃からは都剣連の年会費(5千円)の支払いが発生します。
なお、武道具は指導者や諸先輩のアドバイスを聞いてから購入することを強くお勧めします。
特に模擬刀は高価であり再々買い替える物ではないですし、体に合わない刀、バランスが悪い刀を使い続けると上達が阻まれます。はやる気持ちはグッと抑えて、入門後に購入するようにしていただきたいです。